私のナイトはやくざ
何も変わらない・・・

少し前までと同じ風景。


職場に着くと、いつも通りの仕事が待っていた。

仕事にもずいぶんとなれてきたけど、まだまだ新人。

覚えることもたくさんあるし、ミスすれば怒られることもたくさんある。

それでも、今は本当に楽しく働ける。



「山本さんってこの頃感じが変わったね・・・」

そう話掛けてきたのは2歳年上の北条紀子さん


『そうですか・・・私はあまり変わってないと思いますが・・・』

「なんだか、柔らかく笑うようになったわね。
 いくら事務だからって言っても笑顔は大切よ。」

北条さんは私の指導かかり。

なんでも教えてくれて、間違いがあると教えてくれる。
頼れる人。


「この頃の山本さん見てると、ほっとする・・・
 少し前まで、つらそうに会社来てたから・・・
 やっと仕事もなれて来たのかな・・・」


『すいません。ご心配おかけしました・・・』

きっとこの人は私が何気なく過ごしていた時に、
私を気にしてくれていたんだと思うと・・・涙か出そうになる。


「さっ・・・仕事しちゃいましょ。
 それと、今日の夜飲みに行きましょ・・・たまにはっね」

『はい。』

私は、一人じゃないんだって言われたみたいで・・・
うれしくなった。

< 44 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop