私のナイトはやくざ
「ねえ・・・真由美ちゃん。この前まで何があったか言ってもらってもいい?」

『えっ?』

「私が知らないとでも?
 あんなに体に傷が増えてれば気がつくわよ・・・
 真由美ちゃんは両親と離れて暮らしてるんだから・・・
 男よね。その傷は・・・」


『紀子さん・・・知ってたんですね』

「まあね。私も昔一緒に暮らしていた男に暴力振るわれてたから、
 分かるのよ。その時のきもちが・・・」

『えっ?紀子さんが・・・』

「驚くところはそこ?
 昔、やんちゃしててね。その時のなんだけど…
 でも、その時に助けてくれた人がいるのよ。

 誰にも相談できないし、力ではどう考えても男に勝てないし・・・
 だから、真由美ちゃんにも助けてくれた手があるんじゃないかと思って」

この人はきっとすべてが分かっているんだと思う。
ごまかしても駄目だと思うし、
きっとこの人はほんとの事言っても大丈夫なんだと思うから・・・

『実はその通りです。
 一緒に住んでいた人から・・・
 でも、その人に借金があって、そのために私連れて行かれそうになってんです。それで・・・それを助けてくれた人がいるんです。

 それで・・・今その人と一緒に住んでいます。』

「あらまっ。救世主って感じね。
 でも知っている人だったの?その人・・・」


『前に、助けてもらった事があって、その時に名刺をもらっていて・・・
 それを思い出して、私から電話したんです。

 忘れてるって思ったんだけど、覚えていてくれて・・・』


「それが、フルスモークのベンツの彼かな・・・」


『知ってたんですか?』

「もちろん・・・一度降りてくる姿を見たから・・・」
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