死神と私
死神は腕に付いている機械みたいなものをなにやらいじくって「おし!これでОkだ!」と言って水香にガッツポーズを決める。

イマイチ状況が把握できない水香を見て和也は笑いながら水香の肩をたたいて説明した。

「簡単に言えば君の魂を狩らなくていいことになったってこと」

「えっ・・・・・ほんと?!」

やったぁ!!これでまた普通どおりの生活に戻れる!

「だけど…生贄が要るんだよ…」

「い・・・けにえ?」

「あぁ…君の友達の中の一人を生贄にしなければいけないんだよ…」

それって…ミズキか千愛姫のどちらかを生贄にするって事?

「ねぇ…いつまでって期限はある?」

「…本当は君を狩るはずだったまでの時間は4時44分44秒,だから君の親友の誰か一人の魂を狩るまでの時間は二週間後の朝4時44分44秒だ」

4が見事に不気味なほどについている。

「そっ・・・か・・・決めるのは・・・・」

「そう,君だよ」

私が…魂を狩られる人間を選ぶの?

とても選べない。

…二人ともかけがえのない親友なんだから。

すると死神は頭をかきながら言った。




「君の名前は…確か高麗水香?」



「あ…うん,そうだよ…」



「これから水香って呼ぶから」



「分かった。私も和也って呼ぶよ」



「ああ」



「あ、ねぇ、自分の居た世界に帰らないの?」


ふと疑問に思って,和也に聞いた。


和也は困った様子で,


「実は…水香が魂を狩られる人を決めるまで帰れない」


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