特別なコト
ホームに電車の到着を知らせるアナウンスが流れる。







伝えるコトは難しい。

だけど、伝えなきゃ伝わらない。





「先輩」
蚊の鳴くような小さな声は
普段のあたしからは想像できない。





「あたし、イヤぢゃないんです。」





「うん。」
先輩の優しい声があたしの頭の上に響く。




「ただ、恥ずかしくて。
だから、あの、あたし」



うまく言えないあたしに


「待ってやるよ。真依がいいって思うまで」

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