夢の外へ
「“結婚はゴールじゃなくてスタート”。

“結婚は幸せに向かうための架け橋”。

誰かがそう言ってたけど、まさにそうだと思う」

「…そっか」

「不安、消えた?」

「…少しかな」

そう答えた私に、
「おいおい」

杏樹は苦笑いをした。

でも、ありがとう。

杏樹の話聞いて、心が軽くなった。

その時、何かを感じたのか手の中のスマートフォンが震えた。

ディスプレイを見ると、千景からだった。

「社長さんから?」

「うん」

出ることにした。

「もしもし」

「明日香か?

今どこにいる?

家帰ったら誰もいないからビックリしたよ」

千景の心配していた様子が伝わる。

「ごめん、今杏樹の家にいるの。

ほら、前に話した」
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