夢の外へ
「杏樹…ああ、小学生の頃からのつきあいだって言う友達か。

今すぐ迎えに行った方がいいか?」

そう聞いた千景に、
「うん、そうして。

場所は…」

私は自分が今いる杏樹の住所を告げた。

「わかった。

ついたら、また電話する」

そう返した千景に、
「待ってるね」

私は電話を切った。

「何だって?」

杏樹が聞いた。

「迎えに行くって」

そう言った私に、
「そう、よかったね」

杏樹は優しくそう言って微笑んだ。
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