夢の外へ
「そう思ったら、あかりのことがかわいそうになった。

都合がいいなんて言って会ってたけど、本当はわざわざ自分の時間を犠牲にして俺と会ってたんじゃないかって。

そう思うと、何だか切なくなった。

俺みたいな中途半端なヤツよりも、白黒ちゃんとつけれるようなヤツとつきあった方があかりのためになるんじゃないかって思った。

だから金出して別れてくれって。

俺のこと嫌なヤツだって思ってくれ。

中途半端で最低な俺のことなんか忘れて、お前は他のヤツと幸せになってくれ。

そうやって、あかりとすっぱりと縁を切るしか方法がないと思った」

千景は洟をすすった。
< 125 / 163 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop