夢の外へ
千景は端正なその横顔をゆがませた。

「“別れたくない!”、って。

すっごい言われた。

“カゲと別れるなんて、あたし許さない!”って…ああ、“カゲ”って言うのはあかりが俺のことをそう呼んでいたんだ。

めんどくさいからって言って略された。

俺、あかりは本気だったんだなって思った。

よくよく考えてみればそうだよな。

友達って言ってるわりにはヤってるんだし、つきあってるなんて思われても仕方ないよな」

自虐的にそう言って、自虐的に笑った。
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