夢の外へ
しかも住んでいたところは私が千景の家に引っ越す前に住んでいたあの場所だったらしい。

「刑務所の前に、1度精神病院へ送った方がよさそうだな」

杏樹の旦那さんは呆れたように言った。

「明日香!」

杏樹が待合室にやってきた。

「手術が終わったって。

ただ、傷口は相当ひどかったみたい。

内臓まで到達してたって」

「…そう。

千景は?」

「さっき病室に運ばれた。

見に行く?」

そう言った杏樹に、
「…うん」

私はうなずいた。
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