夢の外へ
「じゃ、気をつけて帰れよ」

「うん、おやすみなさい」

駅で千景と別れる。

ふーっ、今日もよく食べました。

あんなところ、何かない限り行かないんですもの。

でも千景と結婚したら毎日…いやいや、毎日は飽きるから時々とかたまにかな?

ほろ酔い気分でそんなことを思いながら電車に揺られる。

――ふと、気づいた。

何だかよくわからないけど、視線を感じた。

首をキョロキョロと動かして、電車内を見回した。

「――気のせい、かな…?」

きっと、何かの間違いだろう。
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