夢の外へ
「って言うか、何で社長さんに助けを求めないの?

ほら、例の婚活パーティーで会った」

婚活パーティーで会った社長さんって…もしかして、千景のこと?

そこまで思って、気がついた。

ああ、何で今の今まで気がつかなかったのだろう!

「友達にどうしようなんて相談しないでよ。

私、いつからコールセンターになってるの!」

お説教モードになった杏樹に、
「わかったわかった、おやすみなさい」

「あ、コラ…!」

杏樹のお説教が長くならないうちに電話を切った。

こんな大変な時に説教なんて聞いていられるか!

そう思いながら電話帳から千景の名前を出して電話をかけた。
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