夢の外へ
「もしもし?」

千景が電話に出た。

「千景?

今すぐ助けにきて欲しいの!」

叫ぶようにそう言った私に、
「どうした、何かあったのか?」

千景はのん気にそんなことを聞いてきた。

何かあったから、あなたに電話をかけているんです!

「とにかくお願い、早く!」

続けてそう言ったわたしに、
「とりあえず、今どこだ?

すぐ行く」

今どこって…この状況でムチャクチャを言わないでよ。

そう思いながら周りを見回していたら、視界にコンビニが入った。

「K町2丁目のローソン、そこで待ってるから」

「わかった」

よかった、助かった。
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