カワイイ上司だから


その端正な顔立ちとは裏腹に、とても気さくな人となり。


補佐役となった私が焦がれるようになるのに、さほど時間はかからなかった。


でも周囲と一緒で、ただの憧れにすぎないと気持ちに蓋をしていたのに。淡い恋心を強い愛情へと変えさせたのは、笹岡部長の方だった。


それが大雨の降る残業帰りに送って頂いた日のこと。

「私も、……好きです」


――あれから早いもので、もう2年が経った。

半年前に部署異動した私は29歳になって、部長は38歳を過ぎたところ。


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