彼の指
「あたしの友達の話だと9割がそうなんだけど・・・」


そう言いながら、あたしは身体を反転させると
圭司の方に向きなおした。


圭司の指を触りながら、





「指は細長くて、繊細で、言うなれば
ピアニストみたいな指・・・だって。」
あたしがそう囁くと







「で、お前もそうなの?」






覗き込むように問われて
その色気の含む瞳にゾクっとした。




「うーん。それがあたしは
違うみたい。」




へぇ、と言いながらも、圭司は
あたしの次の言葉を待っているみたいだ。


「あたしが好きなのは、生々しくて
指も太くて、ゴツゴツしてる・・・
言うなれば・・・働く男の手に色気を感じるん・・・」


圭司はあたしの言葉を途中で遮ると





「まんま俺の指じゃねーか」
と、豪快に笑った。


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