キミが望むのなら
久しぶりのデートなのに、家に直行って……
家デートが嫌なわけじゃないんだよ?
ただ、家に行ったらすることなんて決まってる……
「ほら、入れ」
「う、うん」
一人暮らしの彼の部屋。
狭いけれど、一人暮らしには十分の広さだ。
テーブルには、飲みっぱなしのビールの空き缶がそのまま放置されていた。
「ねぇ、篤……きゃっ!!」
グイッと腕を引かれて、そのままベットに押し倒さる。
そしてすぐに覆いかぶさってくる篤志。
「ちょっ!!やめてよ!!」
「いいから、黙ってろよ。服、脱がしにくいだろ」
あたしの動きを止めるようにして、篤志の手が服を脱がしていく。
いや、脱がしているというよりも、剥ぎ取っているという感じだ。
優しさも何もない。
部屋に来て、すぐにこれ。
いつものパターンなのに、大事にされてないと改めて感じる。