囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
「これは?」
「今日はお前の誕生日だ。だからその…プレゼントだ」
「プレゼント?」




丁寧に箱を開けると、蝶をかたどったイヤリングが顔を出した。
美しく、可愛いそれが。




「蝶より美麗に舞ってみせる俺の刹那」
「もう、夕俟様ったら」
「…」




ぴくりと眉をひそめ、神崎さんはあたしをぐいと力強く引き寄せる。
状況把握ができずに戸惑うあたしのあごを持ち上げる。

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