囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
「前にも一度あったわ、今夜みたいに眠れないこと。俟那と蕾牙を孕んだ時。夕俟様に捨てられるんじゃないかって不安で…。」
「蝶より艶やかに舞う親方様の寵姫様が、そのような…。私は楽しみです。女でも男でも」
「あれの再来なら元気な家族を、夕俟様に」




という昨夜のサナティアとの会話を聞いていたのだろう。




「まだ検査に行ってないからあれだけど…おめでたなら3ヶ月じゃないかしら?」
「そか」




素っ気ない返事を返し、神崎さんは机から何かを取り出した。
ピンクの蝶が描かれた小さな箱を、1つ。


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