囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
「俺、昔女を助けたんだ。その女は小さくて可愛くて…。そいつは頭から血ぃ流して泣きながら笑ってた。狂うくらい痛かったのだろうとは思う。だからそいつを信じちゃダメだとも。でもそいつは俺に“ありがとう”って笑ったんだ」
「えと?」
「びっくりしたよ。小2の女が俺みたいなヤクザにって」
見事なまでに花々が咲き誇る丘で、神崎さんはぽつり告げる。
小2の頭から血を流した少女とヤクザ。
それはあたしの記憶にたけちゃんと同じくらい深く鮮明に残る思い出だった。
助けてくれたヤクザのお兄ちゃんはあたしにぶっきらぼうに告げた。
“俺様は夕俟。16歳の高1だ。よろしくな”
神崎さんがあの時の“夕俟お兄ちゃん”なら、もう27歳のはずだけど。
「えと?」
「びっくりしたよ。小2の女が俺みたいなヤクザにって」
見事なまでに花々が咲き誇る丘で、神崎さんはぽつり告げる。
小2の頭から血を流した少女とヤクザ。
それはあたしの記憶にたけちゃんと同じくらい深く鮮明に残る思い出だった。
助けてくれたヤクザのお兄ちゃんはあたしにぶっきらぼうに告げた。
“俺様は夕俟。16歳の高1だ。よろしくな”
神崎さんがあの時の“夕俟お兄ちゃん”なら、もう27歳のはずだけど。