囚われ姫~星屑は寵姫となりて蝶姫となる~
「あの時、俺は16歳だった。助けた女はそれを知ってもなお笑顔を向けてこう言った」




区切る言葉にあたしは思い出す。助けてくれた後のヤクザのお兄ちゃんとの“約束”を。




「『あたしは刹那。小2だよ。よろしくね、ヤクザの夕俟お兄ちゃん?』そのセリフにも、妖しげな笑顔にも俺は射抜かれた。小学生の“刹那”に」




あたしはもう驚愕を隠せなかった。
あんな昔からあたしは神崎さんを捕えていたなんて。
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