プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
 あたたかな彼自身が腹部のずっと奥で脈を打つのを感じて、熱く迸る精に満たされた。

 ひとつになってもなりきれないから切ない。そんな風に感じた過去のことを思い出すと、今度は愛おしさでいっぱいになる。

 彼そのものを感じながら、生きている証である鼓動や脈拍や息遣いに耳を傾けた。

 離れようとする潤哉さんの背にしがみついたまま、私は彼を見上げた。

 濡れた瞳が色っぽくて綺麗。大好きな人の甘く滲んだ瞳の中には、あまえたがりの自分が映っていた。

「まだダメ?」
「うん……」

 潤哉さんは可愛がるように髪を撫でてくれて、額にキスをしてくれた。
 繋がりあったまま、自然に抜けてゆくまで、私たちはそうしていたのだけれど。

「……僕の方がダメかも」
「え?」

「……もう一度、したくなるよ。君がそんなに煽るから。あとは半分嫉妬だ」

 再び揺り動かされて、私の中で吐精させた彼が混ざり合っていく。

「ん、っ……潤哉さん、だめ……」
「抵抗するの遅いよ。美羽」

 さっきはあんなに優しかったのに、今度は容赦してくれない。
 ベッドが激しく揺れる。彼を受け入れながら、私の身体はまた熱く震えていく。

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