スイートなメモリー
目の前が、暗くなった。
雪花女王が、後ろから私の目を手で覆ったのだった。耳たぶをそっと噛まれる。
「子どもはあんなの見ちゃいけません」
目元を手で覆われて、耳たぶを噛まれたまま、メイド服のフレアスカートがまくられ、下着を付けていない性器に指をあてがわれる。
「ごめんね美咲、ずっと……こんなになるまで放っておいて」
わざと音が聞こえるように指を動かされ、ずっと期待していたことがわかられているのがなおのこと羞恥を呼ぶ。
「美咲……。学人さんが私の手を離れたから、次はあなたの番よ」
膣口を刺激していた雪花女王の指と目元を覆っていた手が突然離され、私は思わず不満のあえぎを漏らす。
その両手は、私を雪花女王へと向き直らせ、私の首にあまやかに力を込める。苦しくも愛おしいその感触に意識を遠のかせようとした私が目にしたのは、少し離れた壁際に芹香さんを座らせて、彼女の両手首を頭の上に押さえ込み、無理矢理に性器を銜えさせて腰を振る、学人さんの姿だった。
学人さんはもう雪花女王から見放されたのだと思った。
私は自分がやっと雪花女王から触れてもらったことで優越感を感じていた。
次は自分の番だというのに、学人さんの姿を自分の未来の姿と思えなかった。

この時はもう、その場の快感に溺れていた。
雪花女王の手は、冷たく心地よかった。

目の端に見えているふたりがこれからどうなるのかも、自分がこれからどうなるのかも。

すべてもうどうでもよかった。
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