スイートなメモリー
パジャマからスーツに着替える間もにやにや笑いが止められない。
次に誘った時にはもう一段踏み込みたい。
縛らせてはくれないだろうか。
ぶたせてはくれないだろうか。
俺の首輪を嵌めてはくれないだろうか。
目隠しをして、俺の指図するとおりに奉仕してはくれないだろうか。

眠りかけていたところを無理矢理のように抱いた時に、彼女が漏らしたあの一言が忘れられない。
あの一言は俺に自信をつけてくれた。
次に進むことができると確信させてくれた。
思い出すだけで性器が勃ちあがるのを感じる。
俺が与える刺激の中で繰り返された「いや」「だめ」「気持ちいい」の中に、吐息と共に漏れた「気持ちいいです」の一言。
本当に小さな声だったが、俺はそれを聞き逃さなかった。
心の中で思わずガッツポーズを取ったね。
彼女の心の中にある、被虐願望や隷属気質をかいま見たような気がして、俺はとても嬉しかったんだ。
そして、俺に対してそうした態度をちょっとでも見せてくれたことが、ものすごく嬉しくて、俺に可能性を与えてくれたことが嬉しくて。
次に会えるのはいつだろうって考えてる。
早く調教したい。
あの人を俺の奴隷にしたい。
ただ一度抱いただけでは物足りない。
もちろん抱いたことは嬉しいけれど、それだけじゃ足りない。
もっと、俺だけにしか見せたことのない前崎芹香を見せて。
今まで自分でも見たことのない前崎芹香を俺のために見せて。
あの白くて柔らかい肌に噛み付きたい。
あの丸く盛り上がった胸や尻をぶたせてほしい。
あのうるんだ瞳で俺を見上げて「お願いします」と懇願させたい。
朝っぱらからそんな淫らなことを考えながら靴を履く。
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