スイートなメモリー
コーヒーショップには寄らずに出勤して、三枝君が来るのを待つ。
もしも誰よりも早くきたら少しくらいは話せるかもしれない。
そんな期待は当然のように裏切られ、三枝君はいつものように始業時間ぎりぎりに来て、私の手元に届いていた三枝君が作った書類は間違いだらけで……。
「三枝君」
「はい、なんでしょうっ」
「何度同じことを言えばいいのか、っていうのをいったい何度言ったらいいのかしら?」
「すみませんでしたっ!」
別に、あとから虐められたら嬉しいから昼間怒ってるとか、そういうわけじゃあないんだから。断じてそんなことないんだから……。
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