スイートなメモリー
「昨日なにもしなかったからな。よく我慢したね。今日も十分とはいえないかもしれないけど……」
学人さんがジャケットを脱いだ気配がした。
床へ置くのかと思ったら、そのジャケットは私の頭の上からかけられて、私は視界を遮られた。
ベルトを外す音が聞こえる。
学人さんが、ジャケットの上から私の頭を撫でて言った。
「見えなくて不安かもだけど心配しないで。ゴムはつけてる」
四つん這いのまま、頭からジャケットをかぶせられて、ストッキングを履いたまま部分的に破られてそのまま挿入されて、そしてその場所は自宅の玄関。
そのシチュエーションに、私は少なからず興奮していたし、それは学人さんも同じようだった。
玄関先だし、声も出せないのでひたすらに行為に没頭する。
私はそれでも学人さんから求められていると感じたし、自分が学人さんに安心して身を任せているのも自覚した。
学人さんは、私が彼の言うことを聞いているということを喜んでくれていると思う。
学人さんに喜ばれたい。

学人さんが好きだから。

学人さんに愛されたい。

そのためなら。
ご主人様のためになんでもする。
< 95 / 130 >

この作品をシェア

pagetop