ラッキービーンズ【番外編】
私がやる気に満ちた目を上げると、目元に水嶋が唇を押し当ててきた。

こういう甘いこと、平然とするから私は対応に困ってしまう。


「メイの頑張るって心意気は十分伝わったから」

「……うん」

「だから無理は止めとこう」

「ん?」

「メイが職場で気まずくなるのは俺も嫌だし」

「……でも」

「リアちゃんに言うのはまずは止めといて、クリスマスは一緒に過ごそう」

「え? 鍋パーティーは?」

「俺の都合で23日にしてもらう。んで、そのままメイは俺の家泊まってけばいい」

「えっ。ええっ!?」

「何、嫌?」

「いいい嫌じゃないけどっ。そんなのバレないかなぁ……」

「一旦、帰ったふりして戻ってくりゃ大丈夫だって」

「うー、……ドキドキする。ボロが出そう……」


弱音を口にすると水嶋はハハッと笑った。

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