黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「……えっ?」
「そうだよ!アユムくんだよね?!」
しばらくじーっと俺を観察していたかと思えば、パァッと瞳を輝かせて、
「超久しぶりっ。」
“ナツメ”は、すっごく嬉しそうに飛び付いてきた。
……え?
「うわぁ…何年ぶりだっけ?全然変わってないね。すぐわかった。」
さっきまでの不機嫌そうな表情はどこへやら。
彼女としゃべっているときとも全然違う。
ツンとすましたような、大人びた外見からは想像もつかないくらい無邪気って言うか…
キラキラした瞳は、まるで仔猫みたいな…ん?
「あの…君は…」
前に会ったことがある?
知っているような気もするけど、思い出せない。
……誰?
「もしかして、俺のこと、わかんない?」
「あー…うん?ごめん…」
「俺だよ、俺。ナツメ!」
そりゃ、ナツメ、って言うのは知ってるけど……
「覚えてない?
九条 棗(クジョウ ナツメ)。昔、よく一緒に…」
クジョウナツメ?
ナツメ…昔…?
……………あぁ!!
「ナツメって、あのナツメ?!」
憎き“ナツメ”の正体は……