黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「やっぱり、ここだったんだ?」



ドアが開く音がして。

ガチャンと、内側から鍵がかかって。

耳に届いた聞き慣れた声。



「ダメだよ。初日からサボっちゃ。」



近づいてくる足音。



「ここだって…“1日1時間だけ”って約束だったでしょ?」



ゆっくりと目を開けて、
恐る恐る振り返った私の視界に飛び込んで来たのは……



「まぁ、確かに。
こんなにいい天気だもん。ひなたぼっこしたくなる気持ちもわかるけどさ」



青い空を見上げて。

いつものように、当たり前みたいに私の隣に腰を下ろして。



「カリンも、最近お昼寝ばっかりなんだよねぇ。」



ぽつりと呟いた“王子様”。

……出たよ。カリン。



「休みの日も、いないと思うと庭でひなたぼっこ。

話しかけても無視するし、挙げ句、外に出て行っちゃうんだもん。」



やれやれって感じに言ってるけど…普通、だよね?

だって、“カリン”は…



「だから、風歩ちゃんも同じなんだって言うのはよくわかるんだけど…」


「猫と一緒にしないでくれるっ?」



……失礼、でしょ?


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