黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



……そんなわけで。

くるみと、途中で合流した修司の厳しい監視の下、

何年かぶりに“始業式”なるものに参加することになってしまった私。


眠いわ、
退屈だわ、
校長の話は長いわ…

朝っぱらから、余計なエネルギーを使っちゃったわよ。…まったく。



……もう限界。

HRなんて出てられるか!って思って。

トイレに行くフリをして、逃げてきた。



そして、落ち着いたのが…



「やっぱり、ここだよねぇ。」



青い空。

ぽかぽかの日差し。

新鮮な空気。


未だに、フェンスの傍には近寄れないけど…


誰も来ないこの場所は、
私にとって、格好の避難所で。



「今度こそ、寝よう。」



いつもの位置で。

瞼を閉じて。

私は、ゆっくりと意識を手放した。

















……のも束の間。



「……いた。」



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