黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
…聞いてないから。
マイペースにも程があるでしょ。
はぁっと、大きくため息をついた、そんなとき。
「でも、風歩ちゃんの場合はそうはいかないんだからね?」
くるっと、“綺麗な”お顔が急に私に向けられた。
「はっ?」
今度は私?
「外は危険がいっぱいなんだよ?」
「はっ?」
「何かあってからじゃ遅いんだよ?取り返しのつかないことになったらどうするの?」
「……はぁっ?」
何?何の話?
どこから出てきて、
どこにつながるの?
今まで猫の話を熱く語ってたよね?
「気をつけてね、って言ったでしょ?」
「え?」
「今入って来たのが俺じゃなかったら…風歩ちゃん、間違いなく襲われてたよ?」