黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「はぁぁっ?」
また、コイツは…
真面目な顔で何を言っちゃってるのかなぁ?
「襲う…って。
そんなことするのは、アンタくらいでしょ?そもそも鍵が…「開いてたよ?」
「へ…?」
「出入り自由の“人気のない”場所で、そんなに可愛い顔で寝てたら…襲ってくれ、って言ってるようなもんでしょ?」
言いながら、そっと手を伸ばして私の頬に触れて。
まっすぐに瞳を捉えて。
「いい?風歩ちゃんはもう“俺の”なんだよ?」
ゆっくり顔を近づけながら、ヤツは言った。
「だから、触っていいのも俺だけなの」
触れるか触れないか…ギリギリのところで“わざと”止めて。
確認するように私を見つめている。
その瞳は、悔しいくらいに綺麗で…だからこそ、妖艶な光を放っていて…
……ダメだ。
「だから…そのへんはちゃんと気をつけてね?」
「……っ」
「…よし。いい子だね。」
にっこり笑って、私の頭を撫でる“王子様”。
まるで猫にするみたいに……って、
私ってば、なんで素直に頷いちゃってるわけ?
もしかして、完全に
“飼い馴らされて”る?