黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「コレ…ですか?」
目の前の品々を見て、固まる彼女。
「そう。あと、コレとコレと…アレも。」
紗耶さんのお家に入って、部屋に通されるや否や。
次々と出てくる、出てくる。
テーブルに積まれているものは…
「これ、全部。アイツが送ってきたやつ。」
置物とか、キーホルダーとかストラップとか。
地名入りのTシャツ、はたまた提灯やタぺストリー?なんて、どこで見つけたのかわからないものまで。
とにかく、行き先が明らかにわかる特徴的な数々。
たぶん、今まで旅をした場所のものだと思うけど…
「…こんなにあるとは思わなかった。」
それを目の当たりにした彼女はぽつりと呟いて。
「ごめんなさい。
もっと早く、受け取りにくるべきでした…」
申し訳なさそうに謝った。
「ううん。こちらこそごめんね?本当は、私が自分でなんとかするべきなんだけど…さすがに」