黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「“キラキラしてて面白い”んだって。しつこいくらい話してたから。」



お兄さんが?

うーん…でも、その表現って…素直に喜んでいいのかな?



「あとで紹介してやる、って言われたんだけど…あのバカ、いつ帰ってくるかわからないから」


そこで、ちらっと。

心配そうにこちらを見つめる彼女のほうを振り返って。


「風歩ちゃんに連れて来てもらったの。」


ふっと、表情を崩した。


「改めまして…だけど、
和泉 紗耶(イズミ サヤ)です。よろしくね。」


「あ…風見歩です。」



慌てて頭を下げるも、



「…よし、自己紹介も済んだし、本題に入っていい?」


さらっと身を翻して。



「とりあえず、2人とも、中に入って?」



俺たちを促しつつも、さっさと玄関のほうへと歩き始めた紗耶さん。


……うん。
やっぱり、そのマイペースさは同じだよね。


お兄さんは、絶対に“猫好き”だと思うな。


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