黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
……アレ?
え?何?なんで?
私ってば、何を…?
か…身体か勝手に…
まるで引き寄せられるみたいに。
近づいていく顔。
流れ落ちた髪が、アイツの頬にかかって。
それを払いながら、包み込むように触れる指先
……そう。
いつも“されている”であろう行為を。
私は今、しようとしているわけで……
アリエナイ。
私が、自分から、
こんなことするなんて…
見つめすぎたのがよくなかった?
王子様の“魔法”?
吸引力?
ううん、
これはきっと“重力”よ!
地球の力に体が逆らえないだけ!!
そう。だから……
唇が重なったのは、
絶対に私の意思じゃないんだからっ。