月夜の翡翠と貴方
「………そっか」
静かに微笑むと、スジュナは「うん」と満面の笑みで言う。
...愛しているから、幸せ。
愛されているから、幸せ。
…いや、この子はラサバさえいれば、それだけで幸せなのかもしれない。
ふたりは、本当の親子ではないけれど。
奴隷と、主人。
…そう、だけれど……
私は公園の時計を確認して、「少し時間があるからお店を回ろうか」と言った。
スジュナも立ち上がり、パンが入っている袋を手に持つ。
『パパが戻ってきたら、半分こにする』と、嬉しそうに微笑んでいた。
ニコニコとしているスジュナの手を引いて、近くの雑貨屋へ向かった。
*
いくつかの店を回りながら、スジュナとラサバの思い出話を聞いた。
あの店で、パパととても美味しいご飯を食べた。
この店で、パパとはぐれて大変だった。
...それはそれは、たくさん聞いた。