淫靡な蒼い月
狂喜


どうやら、動けないらしい。


壁際に追い詰められた彼女は恐怖からか、瞳すら動かない。


俺は特に武器を持っている訳じゃない。


人はこんな俺を、厚顔無恥と言うのかもしれない。


しかし、それで何が悪い。


すきなんだから、仕方ないだろう?


俺は更に彼女に迫り、自分の唇を彼女の唇に押し当て、強引に舌をねじ込んだ。


「……っ!」


途端に、舌に激痛が走る。


噛まれたのだ。


なかなかやるじゃないか。


ただ、大人しくしてるだけかと思ってたのに。


いいね。


好戦的な俺が目覚める。


小さな悲鳴をあげ、彼女が床に倒れた。


俺が押し倒した。


頭を押し付けるようにキスをして、舌でかき回す。


胸をわしづかみにしながら、制服を引き裂いた。


悲鳴が上がる。


嫌われてるのか?


そんなのもう、どうでもいい。


この想いを遂げられさえすれば、それで構わない。


すきなんだ。


すきなんだ。
すきなんだ。
すきなんだ。


足と足の間の薄い布地も引き裂く。


その布地を口の中にねじ込み、手は適当にロープで縛った。


ああ、一番ほしかったものが目の前にある。


すきなんだ。
すきだ!


すきだ!
すきだ!
すきだ!


俺は、溢れんばかりに想いの詰まった自分自身を、彼女のそこにめり込ませた。


彼女の体が大きく緊張する。


しかし――


予想外のうねりと歓喜の声。


上下する二つの稜線。


彼女からの熱に、俺が飲み込まれる。


やっぱり、俺は間違ってはいなかったらしい。


すきだ!
すきだ!
すきだ!


狂気にも似た何かに包まれる。


わかって、くれたんだね。


嬉しいよ――。

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