淫靡な蒼い月
永遠の十五夜
十五夜の夜、見てしまった弟の秘密。
荒い息遣いの中、快感に歪む横顔が、満月に照らし出されて美しかった。
顎から鎖骨、胸へと下る銀の汗。
動く腕の筋肉。
それ以来、十五歳だったあたしは同い年の彼を“男”として見るようになった。
あの夜に見た、汗で光るのけ反った喉仏。
あの肌に触れてみたい。
あの美しかった汗にまみれてみたい。
そして両親が不在の夜。
あたしは、自分から彼の胸に飛び込んだ。
半ば無理矢理にのしかかって、彼の肌を舌で味わってみた。
唇を、顎を、喉仏を、口に含んでみた。
胸の小さな突起や、その下の――。
けれど、全てを飲み込んでは見たけれど、足りない。
全然足りない。
乾きが止まらなくて、どこまでも貪欲に、あたしは弟を攻めた。
幾度も幾度も、汗にまみれ、肌を光らせた。
激しく攻める中で、やがて、声がした。
「あね、き――」
瞬間、あたしの中の彼が、わななきと共に熱く放たれたのがわかった。
そして、今度はあたしが、喉をのけ反らせ、その様を満月にさらした――。
誰にもバレてはならない、話してはならない、二人だけの永遠の恋。