淫靡な蒼い月
永遠の十五夜


十五夜の夜、見てしまった弟の秘密。


荒い息遣いの中、快感に歪む横顔が、満月に照らし出されて美しかった。


顎から鎖骨、胸へと下る銀の汗。


動く腕の筋肉。


それ以来、十五歳だったあたしは同い年の彼を“男”として見るようになった。


あの夜に見た、汗で光るのけ反った喉仏。


あの肌に触れてみたい。


あの美しかった汗にまみれてみたい。


そして両親が不在の夜。


あたしは、自分から彼の胸に飛び込んだ。


半ば無理矢理にのしかかって、彼の肌を舌で味わってみた。


唇を、顎を、喉仏を、口に含んでみた。


胸の小さな突起や、その下の――。


けれど、全てを飲み込んでは見たけれど、足りない。


全然足りない。


乾きが止まらなくて、どこまでも貪欲に、あたしは弟を攻めた。


幾度も幾度も、汗にまみれ、肌を光らせた。


激しく攻める中で、やがて、声がした。


「あね、き――」


瞬間、あたしの中の彼が、わななきと共に熱く放たれたのがわかった。


そして、今度はあたしが、喉をのけ反らせ、その様を満月にさらした――。


誰にもバレてはならない、話してはならない、二人だけの永遠の恋。

< 65 / 67 >

この作品をシェア

pagetop