Seven Colors
「覚えていない、か。なら知らない方がいい」
「教えてくれよ! 知りたいんだ!」
机に身を乗り出して訴えるアキラであるが、黒王はそれを静かに制した。
「お前の父の為にも知らないでいてやれ。とりあえず“人間が為せる業ではなかった”とだけ言っておこうか」
「……そうか」
同情を買うほどに悲しい表情を浮かべている。先程まで炎を撒き散らして暴れていたというのに、今のアキラを見て誰がその光景を想像出来ようか。
アキラを少し眺めていた黒王であるが、自らの役目を果たそうと一つ咳ばらいをする。
「ところで暁。お前の父の死亡推定時刻、午前零時を過ぎていたそうだが……お前その時間何をしていた?」
途端、アキラの顔が青ざめた。罰が悪そうな顔をしてあさっての方向を向いている。
「え、あ……」
「家にいたか?」
「い、いたよ! う、いや、いなかった……」
「どこにいた?」
それ以上聞くな、と訴えているが取り調べ係の黒王がすんなりとひくわけがない。
無言の圧力がアキラにのしかかる。背中を走る自身の冷たい汗にぞっとし、アキラは体を震わした。ふと黒王の機嫌を伺ってみれば、無表情で何もわからない。
もはや、覚悟を決めるしか選択肢はなかった。
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