Seven Colors
「何となくそうかとは思っていたが」
「な、何がだよ!」
精一杯の強がりと余裕を見せ付けようとするアキラであるが、どうしても黒王と目を合わせることは出来ないらしい。
「午前零時過ぎ、篠町のゲームセンター裏で高校生くらいの男四人が乱闘していると通報が入った。その内仲間同士だったらしい三人は直ちに補導され、残り一人は警察が駆け付けた頃にはいなかった。三人は手足を骨折している。との報告があったが。心あたりは?」
「……ありませ」
「あるだろ、言え」
「すんません」
アキラは諦めの溜め息を吐き、手を足と椅子の間に敷いた。一寸前の威勢はどこへやら、今は塩を浴びせられたナメクジのごとく小さくなっている。
ちらちらと黒王に目をやりながら、アキラは渋々口を開いた。
「その残りの一人ってのが俺だよ。ある意味格闘技のゲームってか」
「三人に恐喝していたのか?」
「馬鹿いうな、逆だ! 恐喝されてたんだよ。三人がかりで寄ってくるからさ、やり返してたらちょっとやり過ぎたっていうか……」
一瞬は興奮状態になったアキラであるが、黒王と目があうとしなしなと萎縮してしまった。
黒王はいたって冷静にアキラを眺めている。そして再びペンを手帳に走らせた。サラサラと書き心地の良さそうな音が静かな部屋に響き渡る。
アキラは随分居心地が悪いようだ。
「何故そんなに萎縮している。三人の証言とも一致するんだ、やり過ぎたとはいえ向こうにも非があるだろう」
その慰めは、アキラの心には響かなかった。
「違うんだよ」
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