Seven Colors
弱肉強食のこの世界。
ただ欲望を満たさんと食うばかりの強。自分が一番上の強という存在になってやろう。その人物はそう考えたのだ。
しかし、たった一つ。自分が強いばかりではどうにもならないことが一つあった。
それは、数。この地球上に巣くう生物を服従させるにも数が多すぎる。いくら雑魚ばかりでも、雑魚が多すぎては鮫は追いやられるものだ。
しかも自分がある能力を持つ者なのだから、同様の人間がこの世のどこかでひっそりと身を潜めていてもおかしくない。
そこでその人物は考えた。仲間を作ろう。いや、仲間というよりは“下僕(シモベ)”か何かだと言った方が正しい。自分に絶対の服従を誓う、そんな強い下僕を。
どうせなら体力のある若い奴がいい。
その人物は自分の能力を分け与えた。ただ町ですれ違っただけの見知らぬ若者に。自分よりは強くならないように、適度な能力を。
能力を与えられた若者は、自身の変化にも気付かず平穏な人生を過ごす。
その人物にとって厄介なのは、与えられた能力が目覚めるのには少し年月が必要だということであった。
「まあいい。時が来たら迎えに来よう。未来ある少年たちよ」
そう言って、その人物は町を後にしたのであった。
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