クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 ロイドは不服そうに、目を細くして結衣を睨む。


「なぜだ。あの時、泣きながら迫ってきたのはおまえの方じゃないか」


 痛いところを突かれて、結衣は一瞬絶句する。
 だが、ここで譲るわけにはいかない。

 こんな唐突に、慌ただしく、半ば奪われるように、ではムードもへったくれもあったものではない。


「今はイヤなの。だってあなた、ゆうべお風呂に入ってないじゃない」


 今度はロイドが絶句した。
 少しの間、思い詰めたような表情で結衣を見つめた後、意を決したようにベッドから下りた。


「わかった。風呂に入ってくる。すぐに戻るから、待ってろ」


 そう言ってロイドは、寝室を出て行った。
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