ビター・スイート・ラヴ
 夏美はそう言うとビールを飲みながら、真紀とツーリングの思い出話で
盛り上がった。



 相変わらず夏美はガンガン飲んだ。



 真紀はもう以前のように、先に酔いつぶれることはなかった。  
酔った勢いで夏美に聞いてみた。



「夏美さん、例の彼氏とはどうなりました?」


「ああ、実はまだ続いてるのよ。真紀さんの前で『別れる』って啖呵を
切ったのに‥。駄目ねぇ、意思が弱くて」


「そうなんだ‥。てっきり別れたと思ってた。絶対、彼はは夏美さんを
幸せにしてあげれませんよ!」



 真紀の放った言葉に夏美はひどく傷ついた。



 そして、二人の間に気まずい空気が流れた。



「真紀さん、そんな言い方、ひどいわよ」



 夏美は悲しげな目で真紀を見つめた。

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