ビター・スイート・ラヴ
「一応なんでも書くけど、いま関わっている仕事は自転車の、と言っても
クロスバイクなんだけど。全国をツーリングしながら観光スポットを紹介
するページを担当しているの。由香さんは自転車に興味があるかしら?」


「偶然だわ。こう見えても私もロードバイクに乗るのよ。でも、最近は走り
に行ってないわ。もしよかったら、真紀さんの都合が良い時にぜひ走りに行
きたいわ」


「かまわないわ。そうしましょう。私も仕事とは別に女性と気楽にツーリン
グに行きたいと思っていたの」



 二人は改めてビールで乾杯して小一時間ほどツーリング話しをした。



 午後九時に真紀の仕事の邪魔をするのも気が引けたので、由香は店を
後にした。



 由香は駅までの道すがら、今すこし前の真紀とのやりとりを思い出し、
まるで学生の頃に戻ったみたいにワクワクした気持ちで駅に向かった。



 金曜の夜ともあって、表参道はサラリーマンやOL達で賑わっていた。



 由香はマンションに帰り荷物を片付けてシャワーを浴びた。



 浴室から出ると髪の毛をバスタオルで拭きながら冷蔵庫から
ミネラルウォーターを取り出したてグラスに半分ほど注いで飲んだ。
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