イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「オレ、5歳くらいまでの記憶が2種類あってね。

両親と一緒に暮らしてるオレと。

ミソラと祖父母と暮らしてるオレと。


……言葉を操れないから、自分の気持ちをうまく表現できなくて、いつももどかしい思いをしてた。

体も、ほかの子たちみたいに動かなかくて、いっつも取り残されてた。

……そんな不思議な自分の記憶」


「……」


(……え?)


あたしは言葉も出ず、ただ立ち尽くして、拓海の形のよい唇が動くのをただじっと見てた。


「いつも保育園に迎えに来てくれたよね。

誰よりも早くお迎えが来て、みんなにいつもうらやましがられてた。

自転車の後ろに座ると、風を感じながらずっとミソラの背中を見てた。

途中でよくスーパーに寄ったよね」


「……う……そ」
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