イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
さっき、最後に過去に飛んだとき。

あたしは拓海を連れて、一緒に過去に飛んだんだ。


過去に飛んで戻ってきたあたしは、いつも、変えてしまう前の過去の記憶も全部持ったままだった。

あのとき拓海を連れて行ったから、拓海の”塗り替えられる前の”記憶は消えなかったんだ。


(うそ……)


「拓海……」


あたしはもう一度、拓海にしっかり抱きついてた。


(なんてこと……)


あたしの拓海は消えていなかった。

姿かたちは見えないけれど。

この、美しい少年の中に、あたしの拓海はずっと生きているんだね。


「うそ、信じられない……」


今度あたしの頬に流れた涙は、あたたかかった。

今日は泣きすぎて、もう涙なんて枯れたと思ってたのに、涙っていくらでも出るんだね。

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