イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「あたしにリストバンド渡しちゃって、あの子はどうやって帰ったの?」

「……そんなの、オレも知らないよ」


困ったように、眉を寄せる。


「あのあと、オレはすぐここに戻ってきたから。

……オレにとっては、昨日じゃなくてさっきだけどね」

「……そうなの」

「うん」


首をかしげて、ちょっと寂しげにニコッと微笑む。


「どうして……あんなことをしたの?」

「……ミソラを悲しませたくなかったんだ」


ちょっとバツが悪そうに、うつむく拓海。


「……え? どういうこと?」


「さっきから……泣いてるミソラを向こうからずっと見てた。

どうして泣いてるのかわからなくて。

そしたら、ミソラ……26歳のね……がね、それまで一緒に過ごした、ミソラにとっての”オレ”が消えてしまったのが悲しくて泣いてるって」

「……」
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