イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「……あれ?」


混乱した頭に、ふと疑問が湧いた。


「じゃあ、さ……

まったく違う人生を歩んだ2人の拓海が、同じ時間軸にどうして存在できたの?

ほら、あたしからリストバンドを奪おうとしたとき。

それっておかしくない?」

「ああ……」


美少年は、美しいラインを描く眉をちょっと寄せて、ナナメ上を見た。


「おかしいかな?

そこから世界が分岐したと考えれば、別におかしくないんじゃないかな」

「……そっか。おかしくないのかな」


あたしは曖昧に返事をした。


「……でもそれって、ものすごく危険じゃない?」


すべてが始まる前に戻れてしまうなんて。


あたしは、さっきあたしが投げ捨てて、草むらに転がってるリストバンドに目をやった。

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