イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「ミソラはオレの、特別な存在だからね――ずっと。

昔も、今も」

「……ありがと。

拓海も、あたしの世界一大事な……………甥っ子だよ」


涙をこらえて、精一杯微笑んだ。


「ミソラ……本当にありがとう」


黒い瞳がキラキラ光って。


(あ……)


心臓がきゅっとなった。


……さっきとは別の、押しつぶされそうな胸の痛み。

この15歳の美少年の拓海に会えるのは、今から11年後?


(でもそのときは、あたしはもう26歳なんだよね……)


残念だけど。

……まぁ、しょうがない。


あたしは何とかうなずいた。
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