イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「ちょちょちょっと――拓海!

何してんのよ!

手を出して!」


「オレはこっちに残る」


断固とした口調。


「……ちょっと、何言ってるの?」

「オレは帰らない。ミソラと一緒にいる」


ゆらぐ風景といっしょに、拓海がじわじわと風景に溶け込んでいく。

あたしをまっすぐに射抜く真剣な黒い瞳だけが、くっきりと浮き出て見えた。


「ちょっと待ってよ、

バカね、拓海、何言ってんの?

そんなの無茶だって!

11年前の社会で生きていくつもり?

――そんな馬鹿なことってある?」

「そんなの関係ない」
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