イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「……さ、行こっか。美咲姉ちゃんが待ってる」

「うん、行くか。

……母さんにまた泣かれなきゃいいけどな」


はぁ、とため息をつく拓海をよそに。

あたしはサイドブレーキを解除して、ギアに手を掛けた。


その手に、そっと重ねられる、あたたかい手。


「ね、ミソラ」

「なに?」

「いつか、2800年代に行ってみようか。一緒に」

「……そんなの、こわいから無理。

だってさ、どんな環境かすら、わからないでしょ。

ほら、大気の組成とか、どうなってるかもわかんないし」


くどくど並べ立てるあたしの慎重な言葉に、整った顔がニッと笑う。


「……15歳なら、行ってたろ?」

「……そうかもね」

「……そうだ。年を取ったら逆に行けるかもよ。

いつか、一緒にね……」
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