イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
自転車をこぐ足が止まった。


(あたしは、もしかして、やり直せる?)


このリストバンドで。



(――無茶だ、そんなの)


ひとり、首を振る。

過去は、変えられるものじゃない。


だって、さっき過去に戻ったときのこと、あたしは小学生のときにすでに経験してたもの。

これで何をやっても、きっとすでにこの世界に包含されているはず。

やっても無駄。




(……いや)


(もしかしたら)



いくら頭で否定しようと。

一度頭をもたげた思いは、そう簡単には消せなかった。
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